ローソク足チャートの読み方
どの暗号資産を買うべきか思案しています。そしていつ買 うべきでしょうか?暗号資産について調べていると、ローソク足チャートと呼ばれる特殊な種類の価格グラフに出くわすかもしれません。そのため、少し時間をかけてそうしたチャートについて学ぶのは良いことです。
慣れ親しんだ折れ線グラフや棒グラフと同様に、ローソク足は横軸に時間、縦軸に価格をとります。しかし、簡単なグラフとは違って情報が詰め込まれています。その資産が特定の時間枠のなかでつけた高値と安値、および始値と終値が一目でわかるのです。
ローソク足チャートとは何ですか?
Coinbase Proからとったビットコイン-米ドルの実際のローソク足チャートを例として次に掲載します。 (Coinbase Proは2022年1月現在日本ではご利用いただけません。)

市場の値動きが上昇傾向なのか下降傾向なのかやその度合いについて、ローソク足は即時にスナップ写真を見せてくれます。ローソク足が示す時間枠は大きく変更できます。たとえば、Coinbase Proの既定値は6カ月であり、それぞれのローソク足は5分間の値動きを示しますが、ユーザーが長くしたり短くしたり設定し直すことが可能です。(株式市場とは異なり、暗号資産市場は1日24時間開いている点にも注意すべきです。そのため、「始値」と「終値」は選択した時間枠の始めと終わりの価格です。)

緑色のローソク足(陽線)は価格の上昇を示し、始値はローソク本体の底の部分、終値は頭の部分になります。赤色のローソク足(陰線)は価格の下落を示します。したがって始値はローソク本体の頭の部分、終値は底の部分になります。
それぞれのローソク足は本体とヒゲで成り立っています。ローソクの本体からは、そのローソク足が示す時間枠の始値と終値がどうだったのかがわかります。
ローソク足本体の頭と底の部分から伸びる線がヒゲです。その資産が時間枠のなかでつけた高値と安値を示します。
ローソク足から何がわかりますか?
ローソク足は価格の経時的変化だけでなく、それ以上のことを明らかにすることが可能です。経験豊富なトレーダーは市場のセンチメントを推測したり、市場が次に向かう可能性がある方向を予測するため、ローソク足のパターンを探します。彼らが捜すパターンのいくつかを次に示します。
たとえば、ローソク足本体の底の部分から伸びる長いヒゲは、価格が下がるなかでトレーダーがその資産を買い向かっている状況を示すものかもしれません。したがって、その資産が上昇に転じることを示す優れたサインである可能性があります。
一方、ローソク足本体の頭の部分から伸びる長いヒゲは、トレーダーが利益を確定しようとしている状況を示唆するものかもしれません。つまり、その資産が近い将来急落する可能性が高いという合図です。
ローソク足のほ とんどすべてを本体が占め、上ヒゲも下ヒゲも非常に短い(か見えない)場合は、(緑色のローソク足[陽線]であれば)極めて強気なセンチメント、(赤色のローソク足[陰線]であれば)極めて弱気なセンチメントを示唆している可能性があります。
特定の資産や市場環境に照らしてローソク足が何を意味するのか理解することは、テクニカル分析と呼ばれるトレード戦略の1つの要素になっています。そして、投資家はテクニカル分析を行うことにより、過去の値動きからトレンドや今後見込まれる投資機会を見いだそうと試みます。
「1本のローソク足の合図」の読み方
非常に短時間のうちに売買するトレーダーは多くの場合、1本のローソク足のみに注目します。そうした「1本のローソク足の合図」を把握すれば、初心者にとって役立つ練習になる可能性があります。次の画像は4つの一般的な合図を示しています。

上ヒゲが長いローソク足は弱気トレンドのサインになる可能性があります。つまり、投資家は売却して利益を確定しようとしています。上ヒゲが長くなればなるほどサインも強くなります。
下ヒゲが長いローソク足は強気サインになる可能性があります。つまり、投資家が購入しようとしているため、価格が押し上げられてます。下ヒゲが長くなればなるほどサインも信頼できるようになります。
ドジローソク足は始値と終値が同じであるため、ローソク足の本体部分がありません。一般に、市場に迷いがあると解釈される可能性があります。そして、まもなく訪れる価格反転のサインになりえます。(なぜ「ドジ」なのですか?ローソク足チャートは18世紀に日本のコメ仲買人が初めて使用したものです。「ドジ」はエラーを意味します。おそらく始値と終値がまったく同じになることがまれだったためでしょう。)
カラカサは際立って長い下ヒゲを持っています。陰線のカラカサはトンカチとしても知られています。トンカチの出現は多くの場合、その資産にかなりの買いが入っていることを意味します。そして、その資産価格はまもなく上昇に転じる可能性があります。一方、カラカサ陽線には首吊り線という不吉なニックネームがあります。多くの場合、売り手が売却する準備ができており、上昇サイクルが反転するという合図です。
1本のローソク足の合図が重要な手掛かりになりうると留意することが肝要です。しかし、市場の動きを正確につかむには、広範な背景を理解する必要があります。そして、ローソク足チャートを見てすぐそのトレンドやパターンに気づくのは簡単ではありません。どの投資戦略がご自身に適しているかわからない場合は、プロのアドバイザーに確認してください。