メイカー（MKR）とは？

メイカーとは、メイカーシステムにおけるイーサリアムベースのガバナンスおよびユーティリティトークンを指します。メイカーは、誰もが平等に世界の金融市場にアクセスできるという、経済的エンパワーメント実現のための包括的なプラットフォームを構築し、DeFi（分散型金融）の可能性を引き出すことを狙いとしています。

メイカープラットフォームが以下の要素で構成されているところも特筆すべき点です。

• メイカーダオ：メイカーダオは、イーサリアムブロックチェーン上のオープンソースコミュニティのプロジェクトであり、分散型自律組織でもあります。プロジェクトは、ガバナンストークンであるMKRを保有している全世界のユーザーによって管理されています。MKR保有者は、役員投票やガバナンスポーリング（DSChiefと呼ばれる）など、科学的なガバナンスメカニズムを介してメイカープロトコルやダイの財務リスクを管理しています。MKRの保有投票権数は、投票者が投票契約に際してステーキングしたMKRトークンの数に比例します。つまり、契約によりロックされているMKRトークンの数が多いほど、その投票者の意思決定力が強まることになります。メイカーダオは組織として、ビットコイン経済の安定性の向上に貢献しています。

• メイカープロトコル：イーサリアムブロックチェーン上で開発されたメイカープロトコルでは、独自通貨であるダイステーブルコインをユーザーが生成できます。メイカーダオは、MKR保有者の投票によって、重要なパラメーター（安定手数料、担保の種類/レートなど）を決定し、メイカープロトコルを管理しています。イーサリアムブロックチェーンにおいて最大規模の分散型アプリ（dapp）であるメイカープロトコルは、DeFiアプリ普及の先駆けとなりました。メイカープロトコルを構成する重要な要素として、担保型のメイカーVaultやオラクル、投票なども挙げられます。メイカープロトコルでは、ダイとMKRという2つのトークンが利用されています。

  • ダイ：ステーブルコインであるダイは、分散型で担保付きのペッグ暗号資産です。ペッグされた暗号資産とは、法定通貨に対する交換レートが政府によって事前に決定されている暗号資産です。メイカーコミュニティは、すべての企業や個人が暗号資産の利点を活用するためには、分散型のステーブルコインが不可欠であると考えています。 

  • MKR：MKRは、システムの運営とダイの維持のたためにステークホルダーが使用するガバナンストークンです。MKRトークン保有者は、より大きな一般コミュニティと他のさまざまな外部ステークホルダーによってサポートされているメイカープロトコルの決定を行います。

また、MKRトークンはERC20トークンであり、以下の目的に使用されます。

• ガバナンス：メイカープロトコルのガバナンスメカニズムは、柔軟性を有するように設計されています。MKRトークンでは、保有者がメイカープロトコルに投票することで変更を加えることができます。投票者は、新しい種類の資産を担保として追加するかどうかを決定できます。また、現在の担保のリスクパラメーターを変更したり、緊急シャットダウンをトリガーしたりすることも可能です。さらに、保有者は新しい提案を提出することでシステムをアップグレードできます。

• 資本再構成：このトークンは、オークションプロセスで生成されたダイトークンの需要と供給のバランスを保つために、メイカープラットフォームの資本再構成（企業の負債資本比率の再構築）リソースとして機能します。

• 暗号資産：MKRトークンは、このプラットフォームの暗号資産です。

• メイカーvault：メイカーvaultは、ダイトークンの生成に担保資産を活用するために使用できるスマートコントラクトです。スマートコントラクトは通常の契約と似ています。ただし、スマートコントラクトは紙に書かれるのではなく、ブロックチェーン上のプロトコルの形で実行されます。

メイカー（MKR）の歴史

メイカープロトコルは、ルーン・クリステンセン（Rune Christensen）氏を中心とした開発者グループによって2015年に作成されました。このグループは後に、ケイマン諸島に所在する会社、メイカー財団として正式に設立されました。クリステンセン氏は以前、国際的な人材採用会社であるトライチャイナ（Try China）に勤務していました。同氏はコペンハーゲン大学で生化学の学士号、コペンハーゲンビジネススクールで国際ビジネスの修士号を取得しています。2017年12月にメイカーダオの最初のホワイトペーパーが公開されました。

メイカーは、メイカー財団とダイ財団という2つの組織が支援しています。メイカー財団は、世界的なメイカーコミュニティの一部であり、いくつかの外部パートナーとの協力の下、メイカープロトコルを開発し、立ち上げました。ただし、ダイ財団はデンマークに本拠を置き、メイカー財団とは独立した自主運営の組織です。ダイ財団の目的は、商標やコードの著作権など、メイカーのプロトコルの無形資産を保護することです。

新しいメイカートークン（MKR）はどのように作成される？

MKRトークンは、マイニング可能なトークンではありませんが、ダイトークンに対する市場の需要と供給によって生成されます。メイカーvaultの担保オークションが行われるたびに、vaultの価値によって、システムが必要とするより多くのダイトークンが生成されたり、流動性を十分に高めるために減らされたりすることがあります。生成されたダイトークンの量が十分でない場合、メイカープロトコルは新しいMKRトークンを発行します。新しく発行されたMKRトークンは、清算のための残額を補填するために販売され、総供給量が増加します。ただし、オークションを通じて生成されたダイの量が必要な上限を超える場合、メイカープロトコルはシステムからMKRトークンをバーン（焼却）し、総供給量を減らします。暗号資産のバーンは、秘密鍵のないウォレットにトークンの一部が送信されることです。これは、トークンが永久に失われることを意味します。トークンは通常、可用性を下げ、市場価値を高めるためにバーンされます。

メーカートークン（MKR）の発行量は？

MKRトークンの供給量は固定されておらず、ダイトークンの市場状況に基づいて常に変動します。

メーカートークン（MKR）の購入方法

MKRトークンはCoinbaseで取引できます。