暗号資産ファンドの設立者

エキスパートの助言: 暗号資産ファンドの設立者

Coinbaseでは、暗号資産のインフルエンサー、経験豊富なトレーダー、ベンチャーキャピタルファンドの設立者などに、彼らの最も有益な秘訣や、Twitterの欠かせないフォロイー、彼らがこれまでに行った最良の取引の背景にあるストーリーについて聞いています。この記事では、Scalar Capitalの設立者であり、Coinbaseの元プロダクトマネージャーのリンダ・シエ氏に聞きました。

暗号資産のエキスパートに、この分野で最も頭の回転が速く明敏な人物を挙げてもらうと、ベンチャーファンド設立者のリンダ・シエ氏の名前は誰よりも多く登場します。シエ氏は大学でビットコインに興味を持ちました。しかし、金融業界の職を辞すほど暗号資産の将来に楽観的になったのは、Overstock.comが決済手段としてビットコインを受け付け始めた2014年以降でした。同氏はCoinbaseの当初の従業員30人の1人として業務に携わり、最終的にはプロダクトマネージャーに昇進して、規制やコンプライアンスに重点的に取り組みました。そして2017年以降は、暗号資産の運用会社であるScalar Capitalを率いており、暗号資産スタートアップ企業への投資に重点を置いています。同氏は語ります。「我々は極めて長期志向です。そのため、スタートアップ企業に深く関与して創業者をサポートしたり、コミュニティーに参加したいと考えています。」

選択肢について理解する

初心者にとっては、暗号資産はどこから始ればよいのか難しい場合があります。まずビットコインが明らかに第一歩になりますが、シエ氏はイーサリアムが提供する機会に注目するよう勧めています。同氏は語ります。「イーサリアムにはかなりの金額の資産が流入しています。「そのため、イーサリアムとそのエコシステムは真剣に検討する価値があります。」 

イーサリアムについて掘り下げる

シエ氏によれば、イーサリアムに楽観的になる大きな理由の1つは、それが成長著しい分散型金融(DeFi)の世界を支える主要技術であるためです。「何が成長しているのか?人々は何のために手数料を進んで支払うのか?取引数量の牽引役は何か?開発者はどのような活動を行っているのか?」 

タイミングはあまり気にしない

価格が急上昇している局面では、買わなかったためチャンスを逃したように感じるのは当然です。しかし、シエ氏によれば、タイミングはあまりにも気にすべきではなく、長期保有を念頭に置いて購入する場合は特にそう言えるそうです。同氏は語ります。「あなたがある資産に注目して『まだ早い段階にあり、価格はこの水準に向かうはずだ』と強く確信する場合には、タイミングはそれほど重要ではありません。失っても構わない金額の余裕資金でドルコスト平均法を利用するのは理にかなっています。というのは、長期的な視点に立って概観すれば、多くの場合まだ相場の初期の段階にあるためです。」

小さく始める

暗号資産の初心者に向けたシエ氏の最初のルールは、失っても構わない余裕資金のみを投資するということです。特に分散型金融(またはDeFi)については、試してみなければわからず、経験があるトレーダーに任せておくのが最善であるからです。同氏はその場合でさえ、長い時間をかけて入念に準備し、最も規模が大きく最も定評があるプロトコルから始めるよう提案しています。「(分散型の貸付・借入プロトコルである)Compoundに少額の暗号資産を入庫して、その一部を貸し出してイールドを獲得したり、とにかく色々試すのがいいでしょう。もしくは、分散型取引所で少額の暗号資産を取引してみてください。ただし、DeFiでひどい失敗をした人たちがいる点は本当に強調したいです。DeFiには大きな危険が伴います。」

リンダ・シエ氏のお気に入りの取引

イーサリアムが登場した2015年には、シエ氏はビットコインに「はまり込んで」いました。同氏は当時あった多くの懐疑的な見方を覚えていますが、イーサリアムには大きな可能性があると確信してそれに賭け、イーサリアムはその後うまくいったのです。 同氏は語ります。「私は投資する際に、すでにあるものとは大きく異なる投資対象を探します。単なる模倣には興味ありません。ビットコインに引き続いてイーサリアムは、物事を本当に前進させると私が初めて感じた暗号資産でした。」

情報源にアクセスする

暗号資産の世界は始まったばかりであるため、たいていの場合、多くのプロジェクトの背後に存在するチーム(や周囲に存在するコミュニティ)が自ら記した大量の情報を、MediumやTwitter上で収集できます。シエ氏は付け加えます。「DiscordやTelegramのグループのほか、彼らがコミュニティの管理に使うものには何でも参加すべきです。忙しく動いてプロジェクトやコミュニティーを理解できれば、それは素晴らしいことです。」

トレンドを見つける

シエ氏のお気に入りの情報源には、DeFiプロジェクトに関するものを中心に、EthHub、the Defiant、Coin Metrics、DeFi Pulseがあります。同氏は同じ分野の投資家であるスペンサー・ヌーン氏が発行するOur Networkというニュースレターも読んでいます。シエ氏は語ります。「私は多くの人に会う際に、注目すべき価値のある何かのテーマについて話すことを大切にしています。それが必ずしもよい投資である保証はありませんが、少なくとも理解する必要があると強く感じるからです。」

暗号資産を友人や家族に贈る

シエ氏は何年もの間、誕生日プレゼントとして暗号資産を贈ってきましたが、最近になって友人の子供にもビットコインやイーサリアムを贈り始めました。そして、その友人に子供が成長してそれらを使えるようになるまで手放さないよう頼んでいます。同氏は語ります。「その頃までにはかなりの金額になっているはずです。しかし、このアイデアの素晴らしい点は、そのような長期間にわたって暗号資産を保有すると何が起こるかを、実際に目の当たりにするという点です。」