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今週の暗号資産:市場が安定し、トレーダーはほっと一息

変動が激しかったビットコインとイーサリアムの市場は数週間ぶりに安定。一方、暗号資産マイニング、中国、環境問題は依然としてトップニュース

2021年6月2日(現地時間)発行

数週間にわたる激しい価格変動の末、暗号資産トレーダーたちはようやく息をつく暇ができたようです。価格が安定し、さらに明るいニュースも多く飛び込んできました。先週のビットコインは終始3万6000米ドル付近で推移し、イーサリアムは2600米ドル付近で推移しました。 

明るい話題の1つは、インドの中央銀行が暗号資産トレーディングを禁止しないと明言したこと。さらに今週、伝説の投資家カール・アイカーンが15億米ドルもの投資を行う意向を示し、ペイパルは暗号資産の引き出しに向けて動き出し、ステーブルコインの時価総額は1000億米ドルに達しました。

全体の動き

  • ウォールストリートの巨人カール・アイカーンは、ブルームバーグTVのインタビューで、暗号資産市場に「大々的」な投資を検討していると発言しました。アイカーンにとっての「大々的」とは「10億から15億米ドル相当」だと明かし、さらに投資家たちが「通貨の価値を懸念しており、インフレが続けばこの懸念は高まるだろう」と付け加えました

  • 昨年、ペイパルは限定的な暗号資産取引を可能にし、膨大な数のユーザーにいくつかの主要なトークンの売買を許可しました。しかし、ペイパル以外に暗号資産を出庫したり、他のプラットフォームで使用したりすることは認めていません。個人のウォレットに移すことができないということになります。この点は今後変わるでしょうか。同社副社長の最近のコメントは、その可能性を示唆しています。「顧客は当社に暗号資産を持ち込んで、商取引に利用したい。それゆえ、当社のお客様が獲得した暗号資産は好きな場所に持っていけるようにしたいと考えている。」

  • 今月の価格変動は、暗号資産市場の少なくとも一部に朗報をもたらしました。トレーダーがステーブルコインに逃げ場を求めた結果、時価総額の合計が1000億米ドル相当にまで急増したのです。テザー(USDT)は依然として最大のステーブルコインですが、USDコイン(USDC)は市場全体の約20%を占めるまでに成長しました。 

  • この1年、暗号資産の価格上昇に伴って、ネットワーク取引手数料も高騰。新規ユーザーにとっては参入障壁となり、既存の投資家にとっては、おそらくDeFi(分散型金融)プロトコルを試すなどの、実験的な取引の妨げとなっていました。最近の市場の冷え込みに明るい希望を見いだすとすれば、手数料の引き下げでしょう。ビットコインとイーサリアムの平均手数料は、今年の最安値、3米ドルにまで下がりました。

スポットライト:マイニングと環境問題

  • 先週、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のCEOで、ビットコイン最大の支持者の1人であるマイケル・セイラーは、テスラCEOの化石燃料由来の電力を使ったマイニングへの懸念を受けて、北米の大手マイニング事業者とイーロン・マスクとの会合を手配しました。その成果の1つとして、「エネルギー使用の透明性を促進し、世界的な持続可能性の取り組みを加速させること」を目的に、ビットコインマイニングカウンシルの設立が決まりました。

  • フォーブスが報道したように、「カウンシルの最初の仕事は、マイニング事業者のエネルギー報告要件を標準化し、『他の産業に対するベンチマーク』として機能するプロトコルを作成すること」です。セイラーによれば、機関投資家に「新規参入する際の安心感を与える」のが狙いとのこと。 

  • ビットコインコミュニティーの一部は、分散型の暗号資産として有名なビットコインに、中央集権型の権力を生み出すのではないかと、カウンシルの設立に懸念を表しています。   

  • また先週、中国政府の高官は暗号資産の取り締まりを要請。これを受けて、石炭由来の電力を使った暗号資産マイニングが盛んな内モンゴル自治区は、マイニング活動を段階的に停止する計画を発表し、地元のマイニング事業者は中国のほかの地域や海外への移転を強いられることになりました。 

  • また、中国の別の地方政府では、異なるアプローチをとっています。四川省では来週、マイニング禁止が地元の水力発電経済に与える影響を理解するための政府主催のセミナーが開催されます。過剰生産された電力を価値に変える暗号資産マイナーの能力が実際に役に立つかもしれません。

  • 一方、暗号資産が人気のアルゼンチンでは、皮肉にも政府助成の安価なエネルギーによって、マイニング事業が花開いています。ブルームバーグは、「近年の外国為替管理制度の復活で、アルゼンチン国民が米ドルの購入を禁止されたことが、デジタルトークンのマイニングの動機をさらに強めた」と報じています。  

  • チップメーカーのエヌビディアは、前四半期、イーサリアムのマイニング事業者に人気のあるプロセッサーの販売で1億5500万米ドルの収益を計上しました。しかし、イーサリアムはマイニングの廃止に向けて動いているため、この恩恵は長くは続かないでしょう。イーサリアム2.0(ETH2)のアップグレードにより、時価総額で2番目に大きい暗号資産はマイニングベースのシステムから、より効率的な「プルーフオブステーク」のシステムへと変わろうとしています。非営利のイーサリアム財団の報告によると「移行後、イーサリアムはエネルギー使用量を99.95%以上削減できる」そうです。 

  • 投資家はすでに500万ETH以上、約130億米ドルをイーサリアム2.0ブロックチェーンに投資しています。(イーサリアムへの投資と報酬については、こちらをご覧ください。)

  • 暗号資産と環境問題に関しては、こちら最新のファクトチェックをご覧ください。 

ゲームストップがNFTプラットフォームを構築中。暗号資産ファンドが世界的なブームに

  • 伝統的な金融市場を通じて暗号資産にアクセスできるファンドが、世界で急増しています。しかし米国の規制当局は、増え続ける暗号資産の上場投資信託(ETF)の申請リストに対して、そのどれも承認していません。今週、ウィズダムツリー(WisdomTree、運用資産690億米ドル以上)は、イーサリアムETFを申請し、その他多数のビットコインETF承認待ちリストの仲間入りを果たしました。

  • 富裕層(または「適格」投資家)向けの暗号資産ファンドは、暗号資産ETFの需要を指摘しています。最低投資額を5万米ドルに設定しているフィデリティのビットコインファンドは、1億200万米ドル相当にまで成長。一方、ニューヨークの投資銀行コーウェン(Cowen)の1部門は、暗号資産投資に特化した新しいファンドで4600万米ドル(最低投資額1万米ドル)を調達しました。なお、このファンドがデジタル資産に直接投資するのか、暗号資産業界の企業に投資するのかは不明です。

  • メキシコのサッカーチーム「クルブ・ネカクサ(Club Necaxa)」の株式1%が、NFTとしてオークションにかけられることになりました。最近、ケイト・アプトン、エヴァ・ロンゴリア、スキー選手のボディー・ミラーを含む投資家グループが、チームの50%の株を購入したばかり。OpenSea(オープンシー)で実施されるNFTのオークションは話題作りが目的で、入札開始価格は500ETH、およそ130万米ドルです。

  • ゲームストップ(GameStop)が新しいNFTプラットフォームを構築しています。詳細はほとんど明かされていませんが、ザ・ブロック(The Block)は「ページの目立つところにイーサリアムのアドレスへのリンクがあり、ゲームストップの開発チームがイーサリアムの技術を使用していることを示している」と報じています。

  • テゾス(Tezos)ブロックチェーンを使った、新しく、環境に優しいNFTプラットフォームOneOf(ワンオブ)が、6300万米ドルを調達しました。投資家には、ジョン・レジェンド、クインシー・ジョーンズ、ドージャ・キャット、ホイットニー・ヒューストン財団が含まれます。Decryptによれば、「このプラットフォームには、TLC、H.E.R、チャーリー・プース、Gイージー、ジェイコブ・コリアー、ザ・キッド・ラロイ、オーロラ、アレッソといったアーティストのNFTがそろっており、今後さらに多くのミュージシャンが参加予定」とのことです。

  • 過去1週間、1カ月間、または1年間で、最も投資収益率(ROI)が高かったのはどの暗号資産でしょうか?当社の週間チャートをご覧ください。