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今週の暗号資産:市場は週末の暴落を受けて上昇を開始

価格が不安定な状況が2週目に突入する中、イーロン・マスクはビットコインマイナーと会談し、中国の取り締まりに対する懸念は増大

2021年5月24日(現地時間) 発行

暗号資産業界は、恐怖、不透明感、疑念の週をもう一度味わいました。水曜日と週末に市場が急落し、今日になって再び上昇し始めているようです。世界の「暗号資産」に関する検索ボリュームも過去最高に達しました。

主要なトークンのうち、イーサリアムは今週で最も激しい値下がりを経験し、価格は日曜日に1800米ドルを少し下回った後、月曜日には2500米ドルを超えるまでに回復しました。それでも2週間前の史上最高値4400米ドルを大きく下回っています。 

市場全体と比較すると、ビットコインは比較的堅調に推移し、月曜日の価格は1週間で約10%下落。何が売りを駆りたてたのでしょうか。主なポイントは3つ。中国政府による暗号資産取り締まりへの懸念、米国規制当局の動向をめぐる不透明感、そしてイーロン・マスクの先週のツイートの影響です。

  • 金曜日、中国の劉鶴(リウ・ホー)副首相は当局に「ビットコインのマイニングと取引を取り締まる」よう求めました。報道によると、中国政府当局は暗号資産について、様々な懸念をいだいていると伝えられています。ほかの市場を混乱させるおそれ、中国のマイニングオペレーションが過剰にエネルギーを消費しているという認識、デジタル人民元 (国家として開発を競っている中国人民銀行の暗号資産) を保護したいという思惑です。 

  • この発表を受けて、いくつかの大手マイニング業者が中国での操業停止を発表しました。これが大きな意味を持つのは、マイニングの大半は中国で行われているからです(暗号資産コミュニティーの多くが、1つの国に集中するマイニングの量を減らすことが好ましい結果をもたらすと考えていることは、注目すべきです)。

  • 長年のビットコインウォッチャーにとって、中国高官による声明とその後の市場への影響は、2017年の記憶を呼び起こします。中国の暗号資産取り締まりのニュースとうわさが複数の大規模な急落を引き起こしたときのことです。

  • ただし中国における暗号資産取引は、2017年以降、中国共産党によって公式に禁止されていること。したがって、副首相の声明が新しい立場を表明しているかどうかは分かりません。 

  • 先週の木曜日、米国財務省は、1万米ドル以上の暗号資産を出入庫する際は米国内国歳入庁(IRS)に報告しなければならないと発表しました。CNBCの報道によると、この動きの背景には、ウォールストリートなどの複数のアナリストが、財務省と米国証券取引委員会(SEC) が「まもなく暗号資産規制においてより積極的な役割を果たすだろう」と示唆していることがあります。

  • 先週お伝えしたように、イーロン・マスクは5月12日(現地時間)、ビットコインのマイニングによる環境への影響を懸念し、テスラがビットコインによる支払いの受け入れを一時停止すると発表し、暗号資産コミュニティーを驚かせ、市場を動揺させました。 

マスク、北米のクリプトマイニング企業と会談

5月23日(現地時間)、テスラのCEOは、アルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)、ハイブ・ブロックチェーン(Hive Blockchain)、ライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)を含む、北米の大手マイニング企業と会談。この会合の後、マイニング企業はビットコインマイニングカウンシルの設立を発表しました。世界中の持続可能なエネルギーマイニングの普及を加速させることを目的としたコンソーシアムです。 

暗号資産と環境について、科学は何を示すのでしょうか。ビットコインのマイニングが多くの資源を消費するプロセスであることは誰もが認める一方で、ビットコインが気候変動に大きな影響を与えているとは思えません。最新の研究によると、ビットコインは持続可能なエネルギーへの移行を促進する可能性さえあるそうです。

  • 英ケンブリッジ大学のビットコイン電力消費指数(Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index)を見ると、マイニングが気候変動の直接的な要因であるという「証拠はほとんどない」ことがわかります。 

  • マイナーには最も安い利用可能なエネルギー源を見つけるインセンティブがあります。一般的には、価格が急落しているような、余剰電力(本来なら無駄になるはずの電力)と持続可能なエネルギーの両方あるいはどちらかを利用するということです。 

  • マイニングにグリーンエネルギーを活用することで、電力会社は余剰供給を収益化できるようになります。実際、少なくともある上場電力会社は、余剰供給から価値を得て、持続可能なエネルギー事業を展開するために、マイニングに直接参加することを検討しています。

  • 民間企業による暗号資産気候協定(Crypto Climate Accord)は、主要な暗号資産企業によるコンソーシアムで、2025年までに業界の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを目ざしています。 

  • ニューヨーク・マガジン(New York Magazine)が報じたように、スクエア(Square)は先日ホワイトペーパーを公表し、「ビットコインのマイニングが再生可能エネルギーへの世界的なエネルギー移行を加速する機会になり、ソーラーシステムへの投資を促す可能性がある」という見解を示しました。(興味深いのは、CEOのジャック・ドーシーがこの調査についてツイートすると、マスクが「その通り」と返答したことです。)

  • イーサリアムは現在、イーサリアム2.0へのアップグレードを進めており、時価総額で世界第2位の暗号資産を、マイニングベースのシステムから、より効率的なプルーフオブステークのシステムへと移行しようとしています。非営利のイーサリアム財団の報告によると「移行後、イーサリアムはエネルギー使用量を99.95%以上削減できる」そうです。

  • 暗号資産と環境問題に関しては、こちら最新のファクトチェックをご覧ください。 

今週、売った人、買った人は誰?

価格が大幅に下がると、当然、売ることで価格を下げている人たちのことを考えがちです。しかし、売り手がいれば買い手もいます。価格が下落したときに誰が買い、誰が売っていたかを調べてみるのもおもしろいかもしれません。 

  • 興味深いことに、グラスノード(Glassnode)のオンチェーン分析は、機関投資家(ヘッジファンド、企業、クジラなど)が価格下落を逆手に取って「押し目買い」をしたことを示唆しています。

  • チェイナリシス(Chainalysis)のデータは、個人の「小売」トレーダーが特に価格下落の影響を受けたことを裏付けています。 

  • ブルームバーグの報道によれば、市場に大きな変動があるときによく見られるように、レバレッジドトレーダー(借り入れた資金で賭けをする投資家)が下落を「加速させた」ようです。価格が急激に下落すると、レバレッジドポジションは自動的に売却されることがあります。記事にもあるように、「ビットコインとイーサリアムの目をみはるような動きは、マージンコールが市場を混乱させたこの2か月間で、おそらく3度目」とのこと。

DeFiの下落への対処

主要な分散型金融 (DeFi) プロトコルは、暴落時にも円滑に機能しました。これは、急成長する業界にとって前向きな兆候と言えます。5月19日(現地時間)、借り入れや貸し付けのための主要なDeFiプロトコルであるコンパウンド・ファイナンス(Compound Finance)の開発者が、「今朝、暗号資産の価格は、コンパウンド史上最速で下落した。我々のプロトコルは、その価格変動に完璧に耐えた」とツイートしました。 

アーべ(Aave)やメーカーダオ(MakerDAO)のような、ほかのDeFiプロトコルも、変動に耐えることができました。預入額の合計はここ数週間で減少しましたが、これらのプロトコルは過去1年間で大きく成長しています。

さらに、大規模な分散型取引所は、膨大な取引量に耐えている模様。ユニスワップ(Uniswap)の1日あたりの取引量は、ダウンタイムなしで最高に達しました。

そのほかのニュース:投資家がステーブルコインに移行、レイ・ダリオが「いくつかのビットコイン」を所有

  • NBAMLBに続き、メジャーリーグサッカーも新しいNFT(非代替性トークン)商品を発表(NFTについて詳しく知る。)

  • 今週、ブラウザーベースのウォレット、メタマスク(MetaMask)に対する世界的な検索ボリュームが過去最高に向かう中、モバイルアプリCoinbase Walletは新しいChrome拡張機能をリリースしました。これにより、ブラウザーのセキュリティに秘密鍵を預けなくても、デスクトップやノートパソコンからDeFiアプリを簡単に操作できるようになります。 

  • クリプト価格が下落すると、多くのトレーダーはステーブルコインに逃げ込みました。USDコインの時価総額は200億米ドルを超え、年初から400%上昇しました。なお、USDCは、Coinbaseが創設メンバーであるコンソーシアム、セントレ(Centre)によって管理されています。 

  • USDCに関するそのほかのニュースといえば、ステーブルコインを利用する新しいフィンテックアプリが、アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)やCoinbase Venturesなどのベンチャーキャピタル企業と共に、ショーン・コムズ、ケビン・デュラント、カーメロ・アンソニーを含む投資家のオールスターラインアップを発表したこと。「Eco」と呼ばれるこのアプリは、従来の銀行口座やクレジットカードなどの決済システムに代わるものを提供し、バックエンドでUSDCを使用してすべての残高を管理。ユーザーは残高と支出に対してリワードを得ることができます。

  • 暗号資産の禁止を検討してきたインドが、心変わりしている可能性があります。インドのエコノミック・タイムズ(Economic Times)は、「中央政府がインドにおける暗号資産規制の可能性を調査するため、新たな専門家委員会を設置する可能性がある」と報じています。

  • 世界最大のヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で億万長者の投資家レイ・ダリオ(Ray Dalio)は、インタビューで「ビットコインをいくつか保有している」と明らかにしました。インフレ懸念を理由に、「個人的には債券よりもビットコインを保有したい」と話しています。 

  • ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)は、富裕層の顧客に暗号資産サービスを提供する最新の大手銀行です。

  • 昨年ビットコインを自社のトレジャリーに加えるようになったマイクロストラテジー(MicroStrategy)は、今週、新たに1000万米ドル相当を購入したと発表しました。5月21日時点(現地時間)で、マイクロストラテジーが保有するビットコインの総額は30億米ドルを超えています。ちなみに、マスクと北米の大手マイニング企業との会合を計画したのも、マイクロストラテジーのCEOマイケル・セイラーです。

  • ペンシルバニア大学は、ビットコインで500万米ドルの匿名の寄付があったことを発表しました。暗号資産を寄付することの潜在的な利点については、こちらをご覧ください。

  • 過去1週間、1カ月間、または1年間で、最も投資収益率(ROI)が高かったのはどの暗号資産でしょうか?当社の週間チャートをご覧ください。