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今週の暗号資産:2021年3月2日~3月8日

キングス・オブ・レオンやタコベルがNFTに参入、アメリカ人の61%が暗号資産のことをよく理解していないと回答、ビットコインの運用を続ける機関投資家たち。Coinbaseの週間レポートはこれ以外にも情報が満載です。

原文掲載日:2021年3月8日

全体の動き

広がりをみせるNFT、アメリカで行われた暗号資産の知識に関する世論調査、ビットコイン以外に投資を拡大する世界の機関投資家など、今週も暗号資産に関するニュースが数多くありました。

NFT(非代替性トークン)では、タコベル(Taco Bell)やキングス・オブ・レオン(Kings of Leon)が参入し、しばらく話題になりました。(NFTの概要や仕組みがまだよく分からないという方は、こちらをご覧ください

米国に拠点を置くいくつかの企業(マイクロストラテジー(Microstrategy)、スクエア(Square)、テスラ(Tesla)など)の暗号資産をバランスシートに追加するというトレンドは海外にも広がっています。香港を拠点にする上場ハイテク企業のメイツ(Meitu、美図)は、3月5日に1790万米ドルで379.1BTCを、2210万米ドルで1万5000ETHをそれぞれ購入したことを発表しました。「今回の暗号資産買収は、保有現金から1億米ドル相当を暗号資産の購入に使うという大計画の一環」とブルームバーグ(Bloomberg)は報じています。

注目したいのは、この「美顔アプリ」の開発会社がビットコインに限定して投資をしなかったことです。 この動きは、今後、機関投資家が2番目に大きな暗号資産に投資するきっかけとなるのでしょうか。

NFTの急速な広がり

ビットコインへの支持を公言しているジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は、イーサリアムのNFTを試し始めました。Twitterの創業者として2006年に史上初めて投稿した(詩的とはいかないまでも)歴史的なツイート「just setting up my twttr」(自分のツイッターを設定中)をNFTの形でオークションに出品したのです。月曜日時点の最高入札額は250万米ドルでした。 

  • ナッシュビルに拠点をおくバンド、キングス・オブ・レオンは、次のアルバムをNFTとしてリリースすることを発表。ファンは専用ジャケットアート、限定版レコード、コンサートでのVIP得点を入手可能。

  • バスケットボールファンが「モーメント」(ハイライト映像)を売買できるサービス「NBAトップショット(Top Shot)」が引き続き人気。2021年3月4日時点の総売上は3億米ドルあまり

  • タコベルのデジタルコレクション、すでに完売

機関投資家の新たな動き

2017年に暗号資産を使った短期間的な検証を行ったゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、暗号資産の取引部門を再開させます。このウォール街の巨大金融機関は、顧客の40%近くが暗号資産のエクスポージャーを持っていると報告しています。ゴールドマン・サックスのデジタル資産のグローバル責任者はポッドキャストで、機関投資家の「巨大な」需要に触れ、まずビットコイン(Bitcoin)先物などの分野に「集中的に」力を入れると述べました。 また次のようなニュースもありました。

  • 石油産業で財を築いたノルウェーの富豪、シェル・インゲ・レッケ(Kjell Inge Rokke)氏が、5800万米ドルを投じて新たなビットコイン投資会社を設立すると発表。­「ビットコインがゼロになる可能性は依然としてあります。しかし新たな金融構造の中核になる可能性もあります。­ビットコインに詳しい人は、将来、ほぼ確実に成功すると信じています」と株主に対してコメント。­­­­­

  • 昨年米国の顧客を対象に限定的な暗号資産取引の提供を開始したペイパル(Paypal)が、イスラエルのテルアビブを拠点に暗号資産のセキュリティー事業に力を入れているデジタル資産のスタートアップ企業、カーブ(Curv)を買収する計画を発表。ペイパルは発表の中で、カーブの人材はブロックチェーンと暗号資産に特化した新たな部門の一部になるとコメント。

世論調査:暗号資産をよく知らないアメリカ人は61%

最近行われたハリス(Harris)の世論調査によると、アメリカ人の10人中9人が暗号資産について聞いたことがあるものの、61%は仕組みについてはほとんど知らない、あるいはまったく知らないと回答したそうです。ブルームバーグが報じた興味深い結果を一部紹介します。

  • 暗号資産に詳しい人のうち、暗号資産を定期的に購入している人は10%。

  • 暗号資産に詳しいZ世代(18歳から24歳)の58%が「デジタル通貨は支払い方法として非常に合理的、またはある程度合理的」と回答。

  • ミレニアル世代(25歳~40歳)の69%がこれに同意。

  • 暗号資産の知識を高めたい方は、暗号資産の世界に関する初心者向けガイド「Coinbase Learn」をご覧ください。

世界情勢

世界第2の人口を抱える大国のインドは、暗号資産を禁止する法案をこれまで検討してきましたが、考え直すかもしれません。ニルマラ・シタラマン(Nirmala Sitharaman)財務相は、3月5日に「暗号資産の世界で行われているさまざまな実験に対応できる窓口を確保したいと思っています。心を閉ざしているわけではありません」と述べています。

  • Visa(ビザ)の最新調査によると、ラテンアメリカにいるクレジットカード利用者の25%が暗号資産で支払えるようにしてほしいと回答。暗号資産関連メディアのデクリプト(Decrypt)の記事では、「ラテンアメリカの人たちは暗号資産を求めていて、インフレへの備えや貯蓄のためのヘッジ(リスク回避手段)としてだけでなく、消費のために使いたいという思いもあるようだ」と報告されています。過去1年間Visaでは、利用者がビットコインを売買できるようにAPIを対応させたりUSD Coinをグローバル決済ネットワークと連携させたりと、暗号資産に関するさまざまなイニシアチブをとってきました。

  • 最近カナダで発表された2本のビットコインETF(上場投資信託)が取引開始後数週間で大きな成功を収めています。カナダの投資家たちは、競合関係にある2社のファンドを利用し、自らビットコインを保有することなく、従来の証券会社を通じてビットコインのエクスポージャーを得ることができます。ブルームバーグの報道によると、新たなファンドにより「2月の時点でこの2社のカナダETF運用会社に52億米ドルが集まり、過去2番目に多い月間資金流入が記録された」とのことです。米国の金融機関も何年も前からビットコインETFを立ち上げようとしていますが、SECの認可を得られていない状態です。カナダのビットコインETFの成功によって承認の道が開くことを多くの人が期待しています。 

スポットライト:イーサリアムの最新プロトコルの解説

日曜日にブルームバーグを読んでいた人は、「ビットコインをしのぐ暗号資産が供給減へ」という見出しを目にしたかもしれません。「Ethereum Improvement Protocol 1559」(EIP-1559)という、この夏実施予定のイーサリアムのアップグレードに関する記事でした。 

この記事のポイントを解説しましょう。このプロトコルの改善により、ETHの供給量が大幅に減少します。このプロトコルが実施されると、ネットワーク上でETHが出入庫されるたびに、わずかな部分が「燃や」され、総供給量が減少します。開発者責任者によると、今回のアップグレードは「当初から把握していたイーサリアムの経済的要素のバグを修正するもの」とのことです。基本的な考え方は、取引コストをより低く、より予測しやすくすることです。

一方で、最新のプロトコルがもたらすもう一つの影響は、その時に流通しているETHの量を減らすことです。一定の需要があるという条件で、供給量が減少すれば、価格が上昇するはずです。 

ビットコインと違って、ETHの供給量は理論上、無制限です。ビットコインの希少性(2100万BTCしか存在しない)にはインフレ耐性があります。7月にEIP-1559が実施されると、イーサリアムネットワーク上の供給量を減らす術ができるため、インフレ耐性が備わり、長期的に価値を維持できるはずです。

現在(EIP-1559実施前)、ビットコインが年1.8%のインフレ率であるのに対し、イーサリアムは年4.4%のインフレ率で供給量が伸びています。(インフレ率について詳しくはこちら