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Around the Block 第6号:ビットコインの優位性と並行するCoinbaseの顧客行動と今後のDEXの変革

ビットコインの継続的な優位性と並行するCoinbaseの顧客行動の分析や今後のDEXの変革、その他の暗号資産関連の注目のニュースをお届けします。

ビットコインの優位性とCoinbaseの顧客行動

ビットコインの時価総額が他の暗号資産と比べて優位であることは広く知られています。最も頻繁に引用される指標は相対時価総額であり、ビットコインネットワークの価値とその他の暗号資産の価値を比較します。

しかし、ビットコインの優位性は時価総額以外ではどのように広がっているのでしょうか?特に、Coinbaseの顧客行動はビットコインの優位性をどのように表しているのでしょうか?まず、ビットコインの時価総額の優位性を過去5年分ほどにわたって確認してみましょう。

概して、ビットコインの優良資産としての地位は変わっていません。それでも、ブルマーケットは、代替的な資産の間で牽引力の増加を示す傾向があります。

これには多くの理由が考えられますが、そのひとつとして心理的な要因は少なくありません。人々は最初の暗号資産投資(ビットコインへの)に満足すると、(2017年の強気相場で明らかなように)他にも成功しそうな暗号資産が見つからないかと手を広げます。逆も同じで、価格が下落して不安が市場をのみ込むと(2018年から2019年)、暗号資産の安全性への逃避がビットコインを暗号資産の中心に押し戻しました。

しかし、私たちは時価総額の優位性、つまり、市場全体として、どのようにこれらの資産を評価しているかを見ているだけです。Coinbaseの顧客がこれらの資産をどのように取引しているかを代わりの指標として見てみましょう。

上のグラフを見ると、この大部分が同じ傾向であることがはっきりとわかります。ビットコインは優位ですが、2017年にその優位性は脅かされ、2018年から2019年に優位性を取り戻しました。Coinbaseの個人向け出来高は、代替的な資産を購入したり取引したりする傾向が強まったことを示しています。

Coinbaseが継続的に資産を追加しているということが、この傾向を後押ししているのもありますが、さらに深く切り込むと、価格の変動がビットコイン以外の資産に消費者を動かしていることがわかります。この傾向は2017年に初めて見られ、今では大きなスパイクが見て取れます。特に、2019年末(デゾス(Tezos)、チェーンリンク(Chainlink)、BAT、0x、ステラ(Stellar)による)と2020年初め(イーサリアム、テゾス、チェーンリンクが牽引)に注目してください。

平均的に、Coinbaseの顧客は、ビットコイン以外の資産を相対的な時価総額が示すよりも3%ほど高い割合で取引しています。

つまり、一方ではビットコインは明らかに優位ですが、その一方でCoinbaseの顧客は、他の資産に移行することも相対的に好むということを表しています。

これはデータに裏付けられています。少なくとも5回以上購入経験がある顧客の中で、ビットコインが入り口なのは60%ですが、ビットコインだけに固執しているのは24%に過ぎません。合計で75%以上が、最終的には他の資産を購入します。

ビットコインの優位性が非常に高い理由とは?

ビットコインが最も優位である理由は以下のとおりです。

  • 特性とミッション:ビットコインは貨幣を変革しています。さらに、本当に供給量が固定された世界初の通貨です。

  • 知名度:ビットコインは暗号資産のパイオニアであり、最も牽引力があります。

  • セキュリティ:最も安全なプルーフオブワークで、その差は歴然としています。

  • 分散化:定量化するのは大変ですが、ビットコインは最も多くのノード、最も分散されたハッシュレート、そしておそらく、最も保守的なガバナンストークンを備えた分散型です。

  • インフラと流動性:ビットコインには最も成熟したサービスと最も深い流動性プールがあります。

  • 技術的なシンプルさ:その他のプロトコルがユースケースの拡張を追求しているのに対して、ビットコインの技術はすでにそのミッションの達成が可能な能力を備えています。

  • 誕生についての都市伝説と無形資産:ビットコインには次のような唯一無二の魅力があります。実際の開発者がわからないという誕生の都市伝説、爆発的な視点、非の打ち所がない牽引力、数学に基づいた新しい経済モデルの包括。

ビットコインは暗号資産領域全体の旗振り役で、私たちはそれを認めるべきです。しかし、他の資産に手を広げるという個人の好みから、新しいユーザーはビットコインを通じて暗号資産を知るが、一般的に代替的な資産やユースケースを探し始めることがわかります。その意味で、ビットコインは、暗号資産の幅広い成長を支え、促す存在でもあるのです。

代替的な資産やネットワークが差別化されたサービス(ビットコインが目指す価値とデジタルゴールドの保存以上のもの)を提供すると考える限り、この業界にとってそのような他の資産のサポートを構築することも重要になるでしょう。

ビットコインは暗号資産の最高位に君臨し、それは今後も長期間続いていくでしょう。しかし、それはその他たくさんの暗号資産が成功するための道を切り開いていくことでもあります。

今後のDEXの変革

イーサリアムのローンチ以来、分散型取引所(DEX)の出現が中央集権型取引所のあり方を変える可能性について、私たちは皆、思いを巡らせてきました。今回は、DEX領域とその今後の変革の可能性を検証する2回シリーズの第1回です。

現在、暗号資産のキラーアプリと言えば投資と投機であり、将来に非常に大きな変化をもたらす可能性がある技術に触れることです。

大部分の取引は、中央集権型取引所で行われます。このような取引所は、単一のプラットフォームが顧客の資産を保有し、買い手と売り手をマッチングし、入出庫を管理して暗号資産と法定通貨のサービスを提供します。ところが、中央集権型取引所にも課題はあります。中央集権型取引所は、特定の地域に存在し、顧客に対して口座開設や資産の入金を要求し、顧客の行動に制限と制約を加え、さらには悪意のある攻撃者の標的になっています。一般的に、暗号資産のオープンで分散型という特性とは対照的な中央集権型のチョークポイントなのです。

分散型取引所が抜きん出ているのは、中央集権型取引所が苦手とする部分です。

  • 安全:資産がサードパーティに送信されることや、一般的にカウンターパーティーリスクを負うことがなく、自分のウォレットから直接取引します。

  • グローバルかつ自由参加型:国境という概念も、誰が取引できるのかの制限もありません。

  • 使いやすさと匿名性:口座の登録や詳細な個人情報は必要ありません。

  • 執行(の可能性)の向上:理論的には、少数の魅力あるプラットフォームに世界的なDEXの流動性が生じ、深い流動性が可能になるはずです。

このように明らかな利点があるにも関わらず、どうしてDEXは、まだ中央集権型取引所のあり方を変えることができていないのでしょうか?

それは、DEXも以下のような重大な課題を抱えているからです。

  • ユーザーエクスペリエンス:DEX上では、自己管理型ウォレットを通じて取引を実行します。このタイプのウォレットは、わかりにくく、怖気づいてしまう人も多いのです。

  • 速さと規模:取引のすべてがオンチェーンで決済され、ブロック時間とベーストランザクションの処理時間がボトルネックになります。(今すぐ、イーサリアム上で1000トランザクション/秒の送信を試してみてください。)

  • 限られた取引ペア:DEXで取引できるのは、単一のブロックチェーン上のトークンのみです。相互運用性に限界があります。例えば、DEXでビットコインとイーサリアムのペアを取引するのは、とても難しいことです。これはビットコインが、イーサリアムではなく、ビットコインのブロックチェーンにあるからです(まもなく変更されます)。

  • 機能の等価性:中央集権型取引所は、新しいサービスをすばやく構築できますが、DEXは各ブロックチェーンの制限内で作業し、セキュリティ検査を受けた機能を慎重に公開しなくてはいけません。

  • 規制:DEXは分散化され、規制圧力に屈しないことを目的としている一方で、ハイブリッドモデルの中には問題に直面しているものもあります。金融当局からの圧力が増せば、DEXの開発を阻害し、普及を抑制してしまう場合もあります。

DEXの何が私たちをワクワクさせるのでしょう?上記のDEXの課題は、対処しやすいものばかりに見えます。概念的に解決へのはっきりとした道筋がある製品と技術の課題にまとめられるのです。最終的には、DEX本来の利点をすべて残したまま、中央集権型取引所の取引体験に匹敵するDEXを構築できるようになるはずです。その日が来れば、中央集権型取引所は変わらざるを得なくなるかもしれません。

現在、DEXは、一般的に2つの主要な区分で差別化されています。

(1)取引の決済方法

DEXは通常、従来のオーダーブック形式か自動マーケットメーカー(AMM)形式のどちらかを採用しています。

オーダーブックによって、各買い手にそれぞれ違う売り手をマッチングします。この形式には、明らかなメリットがあります。非常に流動性の高いブックでは価格発見が透明で効率的に行われますが、通常、流動性の低いブックでは何らかの価格操作(スプーフィングやフロントランニングなど)が行われることもあります。

AMM形式では、各取引をスマートコントラクト内の資本のプールと適合させます。取引価格は、そのプールの資産の比率で決まります。わかりにくいかもしれませんが、この形式では取引に特定の取引相手は必要ありません(取引はスマートコントラクトに対して行われます)。そのため、AMM形式は流動性の低いトークンに適しています。デメリットとして、通常、トレーダーは大口の取引の場合に、スリッページが高くなることが挙げられます。

(2)取引が決済される場所

DEXではベースブロックチェーン(通常イーサリアム)上で取引を決済するか、最終の決済がメインチェーンに戻される前に、サイドチェーンを介して取引をルーティングすることで、処理能力を向上させようとしています。

サイドチェーンベースの執行は有望ですが、現在の形式ではまだセキュリティやUX、分散化の妥協があり、今のところ普及しにくくなっています。しかし、対処できる課題もあり、有望なモデルが今後2年ほどの間にローンチされる予定です。オンチェーン型とオフチェーン型を融合させたハイブリッドモデルもあり、最高の執行を実現するDEXアグリゲーターも増えてきています。

現在、人気のあるDEXのほとんどは、開発者の牽引力、大規模なトークンネットワーク、幅広いインフラとウォレットのサポートで大きくリードしているイーサリアム上限定で直接取引を決済しています。

取引高と牽引力

DEXには規模と処理能力、ユーザーエクスペリエンス、取引ペアの制限などの課題があるため、中央集権型取引所と比較するとわずかにしか普及していません。しかし、DEXの取引高は、徐々にマーケットシェアを高めています。

ドゥーン・アナリティクス(Dune Analytics)によると、ユニスワップ(Uniswap)は流動性に優れたAMM形式により取引高と牽引力でリードしています。DyDxは、レバレッジ取引や借入/貸付力、そして、ビットメックス(BitMEX)と類似のBTC無期限契約市場を最近ローンチしたことにより、2番手につけています。

DEXの取引高は、中央集権型取引所と比べると全体としてはまだ大きくありませんが、確実に伸びてきています。今のところ、DEXの総取引高はCoinbase Proの取引高の6%程度です。(Coinbase Proは2022年3月現在日本ではご利用いただけません)

今後の見通し

今のところDEXの取引高は大きくありませんが、エコシステムの成熟により大きく成長する準備は整っています。その時期については議論の余地がありますが、その課題は解決可能です。可能性というよりは、時期の問題なのです。

主な注目点

  • 自己管理面での改善:自分のウォレットでの暗号資産の管理を極めて簡単にすることで、DEX上で取引できるユーザーのプールを増やせます。

  • 相互運用性:他のブロックチェーン上の資産をまとめて取り扱えるようになると、取引ペアの選択肢の幅が広がります。

  • サイドチェーンとL1スケーリングの進化:取引体験を向上させ、フロントランニングやグリーフィングの攻撃を緩和することで、UXパリティに近い状態を実現します。

  • 規制当局からの圧力:これは諸刃の剣です。規制当局が中央集権型取引所に圧力をかければ、DEXが一部の消費者にとって唯一の利用可能な選択肢になる場合もあるでしょう。反対に、規制当局がDEXの開発者やチームに圧力をかければ、それらのプラットフォームは大きな規模での参入に時間がかかってしまうかもしれません。

  • 新たな機能の差別化:DEXはプログラム可能な資産と結びついており、真に差別化された製品を提供するために他のDeFiサービスとの深いコンポーザビリティー(構成可能性)を活用して、まったく新しいデリバティブと合成資産を生み出せるかもしれません。

この現実にどのくらい近づいているのでしょう?正確なことは言えませんが、ブロックチェーンに製品を届けることに関連した長い開発期間、その注目すべき点におけるゆっくりではあるが確実な成長を考えると、DEXの変革がまだ数年先と考えるのは非現実的ではないでしょう。

クイックヒット

UMA、新規ユニスワップ公開を実施

DeFiで初めて、ウーマ(UMA)が新規ユニスワップ公開(IUO)をまさに実施したところです。このプロセスはICOと取引所上場を一度に実施するものであり、その特筆すべきメリットは以下のとおりです。

  • ユニスワップはシンプル:ICOには特注かつ監査済みのスマートコントラクトが必要で、トークンを直接一般に販売していました。ユニスワップなら、この複雑な仕組みを一切無視して、ただ市場を作って、流動性を追加できます。2つのプロセスは5分ほどで完了し、開発経験も監査も必要ありません。

  • 流動性と価格発見が組み込み済み:ICOは一定量のトークンを一定の価格で提供し、そのトークンを中央集権型取引所に上場することで初めて真の価格発見ができました。ユニスワップは、そのAMM形式を介して、マーケットメーカーを必要とせずに、即時の価格発見と継続的な流動性を提供します。

  • 発行者が流通取引による利益を獲得可能:ユニスワップに流動性を提供することで、取引手数料収入が得られます(変動損失を差し引いた額)。

デメリットとして、当初、双方向市場がなく(買い手のみで、売り手がいない)、十分な価格発見が実行される前に価格が高騰する可能性があることが挙げられます。さらに、トークンの外部供給先がないため、価格がその開始価格より下回ることがないということも挙げられます。UMAの場合、これらの仕組みにより、誰が最初にトランザクションをマイニングされ、有利な初値で取引されるのかを競うブロックチェーンへの競争が引き起こされました。

初期学習にも関わらず、UMAのプロセスは成功しました。このモデルが有効であることが示されており、そのシンプルさと容易な流動性は、多くのプロジェクトで注目されるでしょう。

個人によるトークン販売の始まり

  • 元Coinbase弁護士のルーベン・ブラマナサン(Reuben Bramanathan)氏は、自分の時間をトークン化して、ユニスワップ経由で一般に販売しました。

  • NBAのスター選手、スペンサー・ディンウィディーは、現在のNBA契約をトークン化しました。

  • セイントフェイム(Saint Fame)が商品をトークン化し、コミュニティを作りました。

  • アレックス・マスメジ(Alex Masmej)氏とケルマン・コーリ(Kerman Kohli)氏は、将来の得る可能性のある報酬をトークン化しました。

DeFiは、資産形成の枠を越え続けています。新しくて普及力がある資金調達の仕組みになる最初の兆しです。高校生のスポーツ選手がケガの保険として、将来の契約をトークン化したり、新進気鋭のアーティストが将来の録音の売上をトークン化したりすることを想像してみてください。

ただ、細部に注意を払うことが大切です。この場合、トークン化のイベントが投資契約に該当すれば、SECによって証券としてみなされる可能性があります。規制とDeFi製品の緊張状態は明白で、規制当局が明確化するまでは、採用が保留される可能性もあるでしょう。

DEXの新たなデリバティブプラットフォームが躍進

フューチャースワップ(Futureswap)は、コンパウンド(Compound)、ユニスワップ、ビットメックスというまったく新しい組み合わせのDEXです。現在のところ、ETH-DAIブックのみを取り扱っていますが、オラクルの価格(オーダーブックなし)から始まる20倍のレバレッジ取引を提供しており、修正済みのユニスワップスタイル価格曲線(スリッページを制限)を利用し、動的調達金利(ビットメックス式)で抑えられています。 これは斬新なアイデアで、原資産のスワップがないため投機家にとっては理想的なアイデアです。4日間のアルファ版ローンチでは、取引高1700万ドルを記録し、流動性プールに150万ドルを獲得しました。これにより、フューチャースワップはDEXの取引高でユニスワップに次いで第2位となる割合です。 これとは別に、DyDxはビットメックスに類似し、レバレッジが10倍の無期限ビットコイン契約をローンチしました。フューチャースワップとは反対に、DyDxは真のオーダーブックで運営し、アンダーウォーターの取引には公開清算メカニズムを提供します。また、ビットコインベースの取引ブックがDEXを通じて大規模に提供されるのは、これが初めてです。 まとめると、DEXデリバティブ市場は、製品の市場適合度が高くなることを示唆する形成途中の強力なデータポイントがあります。