Coinbaseのロゴ
ログイン

Web3スタック簡易ガイド

ここ最近注目を集めているバズワードにWeb3という用語がありますが、それはいったい何を意味しているのでしょうか?

暗号資産業界に光を当てるCoinbase VenturesのAround the Block 。著者は  Connor Dempsey Angie Wang 、および Justin Mart

Web3について多くの定義が飛び交っていますが、Coinbaseでは、ブロックチェーン技術を活用した、トラストレスで、パーミッションレスで分散型のインターネットと考えています。

Web3の一番の特徴はオーナーシップです。初の商業用インターネット(Web1)は、ほとんどのユーザーにとって 読み取り専用 でした。Web2では、ユーザーは一元化されたプラットフォーム(Twitter、Facebook、YouTubeなど)上で  読み取りと書き込みの両方を行うことができました。そしてWeb3では、ブロックチェーンを介してコンテンツやデータ、資産に対する完全な所有権がユーザーへ与えられます。ユーザーは、 読み取り、書き込み、そして所有できるようになります。

Web2ではFacebookのような第三者がユーザーのアイデンティティとデータを所有していますが、Web3ではユーザーのアイデンティティは、サービスプロバイダーに捕捉されたり収益化されずに、プラットフォーム間を流動的に移動できます。Web2のアプリは一元的に管理されていますが、Web3では、トークンによりユーザーが自分の使うサービスを管理する権利が与えられ、プラットフォーム自体の所有権の一形態を表しています。

このような枠組みを念頭に、Web3スタックとはどのようなものか見ていきましょう。

Web3スタック

Web3スタックはまだ初期的で断片的なものですが、ここ数年における多くの技術革新により、注目され始めています。以下の内容は、相互に排他的なものでも、完全に網羅的なものでもありません。むしろ、進化し続けるこの状況を考えるためのフレームワークです。

下から見ていきましょう。

プロトコル層

スタックの一番下には、プロトコル層があります。これは、他のものが構築される基盤となるブロックチェーンアーキテクチャで構成されています。

ビットコインはその最たるもので、現在のWeb3では大きな役割を果たしていませんが、公開鍵・秘密鍵暗号を使って希少なデジタル資産を誰かが所有できるようにした先駆者です。ビットコインに続いて、イーサリアム、Solana、Avalanche、Cosmosなどの第1層のスマートコントラクトプラットフォームが登場し、現在制作されている多くのWeb3アプリケーションの基盤となっています。

ビットコインとイーサリアムには、それぞれの上に追加のプロトコルが構築されています。ビットコインには、ライトニングネットワーク(高速で安価な決済用)や、 スタック (スマートコントラクト用)などのネットワークがあります。その容量制限を緩和するために、複数の 第2層スケーリングプロトコル がイーサリアムの上に構築されています。

第1層と第2層のネットワークが増えたことで、それらの価値を橋渡しする必要が出てきました。ユーザーがあるチェーンから別のチェーンへと価値を移動させるための高速道路の役割を果たす、クロスチェーンブリッジの登場です(便利なクロスチェーンダッシュボードは こちらと こちら )。

インフラストラクチャー / カテゴリープリミティブ

インフラストラクチャ層は、プロトコル層の上に位置し、特定のタスクを実行するために高い信頼性を持つ、相互運用可能なビルディングブロック(「カテゴリープリミティブ」とも呼ばれる)で構成されています。

これは、スマートコントラクト監査ソフトウェア、データ保管、通信プロトコル、データ分析プラットフォーム、DAOガバナンスツール、アイデンティティソリューション、金融プリミティブなど、あらゆるものを構築するプロジェクトが存在する、高密度で多様なレイヤーです。

例えば、Uniswapでは、ある資産を別の資産に交換できます。 Arweave では、データを分散して保存できます。 ENS  ドメイン名は、Web3の世界におけるユーザーのアイデンティティとして機能します。ユーザーは単体のアプリケーションではあまり何もできません。しかし、これらのカテゴリープリミティブを組み合わせると、Web3開発者がアプリを構築するために使用できるレゴブロックのようになります。

ユースケース層

プロトコル層とインフラ層の上には、すべてが集約されたユースケース層があります。

 Axie Infinityのようなブロックチェーンベースのゲームを例にとると、これはEthereumトークンとNFTを使用しており、Roninと呼ばれる低コスト・高スループットのサイドチェーンに橋渡しすることができます。プレイヤーは、ゲームをプレイするのに必要なトークンとETHを交換するために、Uniswapをよく利用します。同様に、分散型ブログプラットフォームMirror は、データの保存にストレージプロトコルArweave を使用しています。その一方で、Ethereumを活用して、発行者が暗号資産で支払いを受けられるようにしています。多くの場合、トークンをENS のアドレスに送ります。

Uniswapはインフラとユースケースの両方に登場していることに気づくでしょう。というのも、Uniswapの核は単なる一連のスマートコントラクトですが、ユーザーが直接対話できるフロントエンドも提供しているからです。言い換えれば、スタンドアロンのユーザー向けアプリであると同時に、Axie Infinity のような他のWeb3アプリのインフラとしても機能します。

アクセス層

スタックの一番上には、アクセス層があります。これは、Web3のあらゆる活動の入口となるアプリケーションです。

Axie Infinity をプレイしたり、Mirror のコンテンツで報酬を得たいですか?まず必要なのはウォレットです。ウォレットは、ほとんどのWeb3アプリケーションにおいて、主要なエントリーポイントとなります。MoonpayWyre のようなフィアットのオンランプや、Coinbaseのような取引所では、ユーザーがフィアットマネーをクリプトに交換し、取引を始めることができます。

ウォレットにいくらかの暗号資産を入れれば、ユーザーは DappRadar のようなアグリゲーターへ行き、一箇所であらゆる種類のWeb3アプリケーションを閲覧したり接続したりすることができます。 Rabbithole のようなプロジェクトは、ユーザーが様々なWeb3アプリケーションの見つけ方や使い方を学ぶのに役立ちます。また、 Zapperや Zerion 、 Debank など、様々なアプリにおけるすべての活動や資産の追跡を簡単にするアグリゲーターもあります。

最後に、RedditやTwitterのように、暗号化コミュニティがすでに集まっているWeb2のプラットフォームが、Web3への入口になる未来が近づいています。Reddit待望の暗号化イニシアチブでは、特定の コミュニティにトークン化させることで、ユーザーの積極的な参加をトークンやおそらくNFTで報います。Twitterはすでに、ビットコインのライトニングネットワークと統合し、ユーザーが他のユーザーにBTCでチップを渡せるようになっています。

進化し続けるスタック

まだ初期状態にあり発展途上のWeb3の世界、ユーザーが所有するインターネットは上記のプロトコル、インフラ、ユーザーアプリケーション、そしてアクセスポイントから構成されています。Web3の実力は、所有権だけでなく、モジュール性と相互運用性にも見られます。つまり上記のスタックを組み合わせることで、新しく興味深いユースケースを生み出す方法が無限に存在するということです。この特性は、世界を変えるような新しいアプリケーションが、カンブリア紀のように大発生することにつながるでしょう。

今回紹介したフレームワークやレイヤーは今後も変わることはないでしょうが、その中で作られるプロジェクトやチャンスは今後数年間で劇的に変化することが予想されます。