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Around the Block 第2号:ビットコイン半減期とローンチ間近のイーサリアムの競合について知っておくべきこと

今回は、目前に迫るビットコインの半減期やイーサリアムの新たな競合についての重要なポイントをご紹介します。

ビットコインの第3半減期に向けて

これまでにビットコインは2回の半減期(2012年、2016年)を経験しています。そして、その3回目が目前に迫ってきています。

この背景には、ビットコインが発行上限を2100万ビットコインに設定することによってデフレ経済モデルを切り開いたことがあります。導入を促進するために、初めは1ブロックごとの発行数は50BTC(10分ごと)に設定されました。さらに、ビットコインのネットワークの価値がおそらく高まるということから、4年ごとにこの発行数が半減するよう設定されたのです。このことを、今では俗に「半減期」呼びます。

現在、1800万ビットコインがマイニング済み(最終供給量の86%)で、ブロックごとに12.5ビットコイン(約12.5万ドル)が発行されています。これは、2020年5月には6.25BTC(~6.3万ドル)に下がります。

インフレの観点からは、ビットコインの年間インフレ率は約3.6%から1.7%となり、米ドルの目標インフレ率(2%)よりも低く、金とほぼ同等です。 ビットコインをデジタル版の金、つまり新しい種類の価値貯蔵とする説が強まる可能性があります。

単純な需給分析では、半減期ごとに供給が減り、価格上昇の要因になると考えるのが一般的です。しかし、過去の半減期で何が起こったのでしょうか?そして、過去の半減期から何を学べるのかを見ていきましょう。

過去の半減期後のBTCの勢い

ビットコインの最初の半減期が起こった2012年初頭、ビットコインのエコシステムは小さく、脆弱で、不安定でした。

2012年の長い横ばい相場の後、1回目の半減期はあっけないものでしたが、その数ヵ月後には大きな強気相場が訪れました。ビットコインは史上最高値を更新し、1300ドルを超え、2013年の爆発的な終わりを迎えました。

それから4年経ち、ビットコインは2013年のピーク時の1300ドルから下落した後、再び長い横ばい相場が続きました。2回目の半減期自体はまた何の変哲もないものでしたが、ビットコインはその約半年後から勢いが強くなり始め、2017年の前代未聞の大暴騰につながりました。

第3半減期が目前に

2度の半減期を経て、爆発的な価格上昇のほとんどが半減期後に発生していることがわかります。実際のところ、いずれの状況でも、半減期そのものはむしろ大きな出来事ではなく、その影響が現れるまでには約3カ月~6カ月を要しました。

現在、3度目の半減期につながる長い横ばい相場の真っただ中です(ただし、2019年は途中でちょっとした上昇がありましたが、その後は先細りです)。

しかし、過去の半減期とは明らかに異なり、暗号資産のエコシステムは大きく成熟しています。暗号資産サービスにより、ビットコインの購入、保有、利用が容易になり、エクスポージャーを望む人なら誰でも簡単に利用できるようになりました。一方、ビットコインが下落するほうに賭けて、ショートすることも(信用、先物、デリバティブを経由して)はるかに簡単です。これは2016年には難しく、2012年には存在しませんでした。

2016年と比べて、暗号資産は広く知られるようにもなりました。大半の人がビットコインについて少なくとも聞いたことがあり、多くの金融機関がこの資産クラスについて(少なくとも)内部見解を示しています。

では、半減期は織り込まれているのでしょうか?一般的には、以下の2つの考え方があります。

  1. 織り込み済み。半減期は、ビットコインの公開された周知の経済モデルの副産物です。すべての公開情報は、効率的な市場に織り込まれており、それは半減期についても同様です。

  2. 織り込まれていない。半減期は何よりも物語性があり、認知度向上や採用を促進することで、 供給 よりも 需要 に影響を与える可能性があります。

BTCの第3半減期に向けての重要なポイント

過去のビットコインの半減期について研究することは、市場行動や新しい資産クラスとしてのビットコインの進化を知る上で興味深いものです。次の半減期とその後には、何が起こるでしょうか?今後を予測しても、結局は推測に過ぎないので状況を見守るしかありません。少なくとも、目前に迫った半減期は、ビットコインの報道や意見、理論の強い流れを生み出すはずです。

ローンチ間近のイーサリアムの競合に関するまとめ

2015年から2017年にかけて、いくつかのプロジェクトが汎用的なスマートコントラクトブロックチェーンプラットフォームの開発のために資金を調達しました。それらのプラットフォームは、1)予期される市場の需要、2)開発されるかもしれない技術的な差別化要因、3)イーサリアムに起こりうる困難への対応を目的としています。

スマートコントラクトのプラットフォームの構築はきわめて複雑で、(ETH 2.0を含む)ほぼすべてのプラットフォームで大幅な遅延が発生することがすぐに明らかになりました。現在、非常に期待が大きかったプラットフォームの中には、導入の目処が立ったものもあります。

今後予定されているプロジェクトの概要は以下のとおりです。

ディフィニティ(DFINITY)

ディフィニティは、分散型の「インターネットコンピューター 」の構築を目指しています。これは、パブリックインターネットがバックエンドソフトウェアをネイティブにホストできるようにし、世界的な計算プラットフォームに変えるものです。これによりインターネットサービスは、パブリックインターネット上に直接コードをインストールし、すべてのサーバー、クラウドサービス、集中型データベースを省けるようになります。

このアイデアには多くの意味があります。特にウェブを分散化し、オープンイノベーションを可能にすることを軸に、フェイスブックやリンクトインのオープンバージョンのような自律型ソフトウェアへの道筋を作ることもできるのです。副次的な効果として、セキュリティモデルの向上の可能性やITの複雑さやコストの削減も、とりわけ期待できます。これが成功すれば、インターネットのあり方を変える強力なパラダイムシフトになるでしょう。

これを実現するために、ディフィニティは強力な技術者チームを編成し、より大きなスループットを可能にする合理形成メカニズム(しきい値リレー)におけるいくつかの打開策を発表しています。

ポルカドット(Polkadot)

ポルカドットは、相互運用性ネットワークの構築を目標としています。ブロックチェーンプロジェクトが実現を目指していることは以下のとおりです。

  1. 異なるチェーン間で信頼性の高い資産移動を実現する。

  2. 相互にやり取りができるクロスチェーンスマートコントラクトを実現する。

  3. 他のブロックチェーンで利用可能なアプリケーション固有のチェーンを迅速にスピンアップするためのフレームワークを提供する。

相互運用性は、暗号資産エコシステムにとって重要な構成要素です。例えば、クリプトキティ(crypto-kitties)は膨大なスループットを持つ特定のブロックチェーンを作成できますが(これにより、キティを好きなだけ速く繁殖させられます)、クリプトキティにはイーサリアムでアクセスでき、プラットフォームはETHやDaiなど、あらゆるERC-20トークン(ETHインフラもおそらく可能)をネイティブに使えます。

初期のウェブサーバーと比べてみるとわかりやすいかもしれません。当時は、1台のサーバーで複数のウェブページをホストしていました。あるページの人気が爆発した場合、サーバー全体がクラッシュし、他のウェブページもすべて同時にダウンしました。インターネットは、分散されたアプリケーションごとのサーバーに進化し、各ウェブページは他のページに影響を与えることなく、必要に応じて拡張できるようになったのです。ウェブページをブロックチェーンに置き換えることは、相互運用性とアプリケーション固有のチェーンが暗号資産にもたらす可能性の一面に過ぎません。

ポルカドットはパリティ(Parity)経由でギャビン・ウッド氏(イーサリアムの共同創設者)が主導しています。ポルカドットのアプローチは、概念的にはコスモス(Cosmos)と似ていますが、相互運用性ネットワークがセキュリティをどのように扱うかという点で差別化されます。

ニア(NEAR)プロトコル

ニアは、イーサリアム2.0に近いビジョンを持っています。スマートコントラクト機能を備えた、プルーフオブステーク、シャード型ブロックチェーンですが、構成可能性、つまりスマートコントラクトがシャード間でシームレスに相互作用する能力をよりよく保護するために、コンセンサスデザインに工夫が凝らされています。Coinbase Venturesは、ニアの投資家です。

ICPCメダリストの集まりであるニアチームは、分散型アプリ開発者をターゲットにすることが長期的な牽引力に不可欠であると考え、開発者の体験を重視しています。このチームの目標は、シームレスな開発者用ツールを備え、ETH → NEARブリッジが組み込まれた本当の意味で拡張性の高いチェーンを立ち上げることで、エンドユーザーがETHトークン(と、おそらくETHインフラ)を引き続き使用でき、採用への障壁を低くすることにあります。

ニアはETH 2.0と本質的と似ていますが、新しいチェーンと新しい環境で構築されているため、ETHが獲得した重要なネットワーク効果の一部を放棄していると言えます。ニアは、今年第2四半期のローンチを予定しています。

まとめ

ETHの競合はそれぞれ、インフラ、ツール、流通、マインドシェアにおいて、イーサリアムが築いてきた強力なネットワーク効果に対抗するために四苦八苦しています。

結局、それぞれのプロトコルの立ち上げは、進化し続けるための長い道のりの始まりに過ぎないのです。また、長期的には、これらのネットワークが暗号資産プロトコル層を広げるための新たな機能を追加し、暗号資産の設計領域を広げ、影響力の強い分散型アプリの可能性を高める可能性があります。