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Lootプロジェクト: コミュニティーが所有する初のNFTゲームプラットフォーム

Coinbase VenturesのAround the Blockでは、暗号資産の主要なトレンドに注目します。今回はジャスティン・マートとコナー・デンプシーが、Lootプロジェクトとは何か、なぜ興味深いのかをお伝えします。

以下の画像は、Loot bagといい、黒い背景に8つのフレーズを重ねたテキストファイルです。実際のところ、このテキストファイルは「Loot Bag #748」というNFTでもあり、250ETH(現在の価格で約80万ドル)で売却されました。

さて、これで何ができるのかと言えば、少なくとも今のところ、ほぼ何もできません。

ダンジョンズ&ディジェンズ

8月27日、Vineの共同設立者として知られるドム・ホフマン氏がLootをローンチしました。プロジェクトは「無作為な冒険用の装備」を表す言葉が詰まった8,000のNFTで構成されています。詳しく調べてみると、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のようなゲームでキャラクターが装備しているようなアイテムがあることがわかります。Short Sword(短い剣)Divine Robe of the Fox(キツネの聖なる衣)が、その例です。

この数カ月間に、数多くのNFTがリリースされていますが、Lootは2つの点で際立っています。まず、LootのNFTは無料でもらうことができました。獲得者は、標準的なイーサリアムのガス代の支払いさえすればよかったのです。もう一つのさらに明白な差別化要因は、LootのNFTがただの言葉の集まりだということです。

チンパンジーやペンギンの絵がまったくないのにもかかわらず、このプレーンテキストのNFTは獲得されるやいなや、すぐに数万ドルで売却され始めました。この記事を書いている時点で、Lootの取引額は2.3億ドルです。

Loot NFTを深掘り

LootをただのNFTへの投機熱の症状のひとつとして、反射的にはねつけてしまう人もいるかもしれません。しかし、Lootは興味深い新規のNFTプリミティブを導入しています。何が興味深いのかを説明する前に、Loot NFTとは何かについてもう少し説明します。

ただの単一の証明可能な珍しい画像ではなく、Loot bag内の8つのアイテムにはそれぞれ、スマートコントラクトの読み取りが可能なパラメータが備わっています。加えて、8つのアイテムにはそれぞれ、広大なLootの世界内での独自のレア度が設定されています。

Bag #748に話を戻すと、8つのアイテムのうち6つは「普通」とされていますが、Short SwordとDivine Robe of the Foxは、明白にレアとされています。Short Swordは、8,000のLoot bag全体でわずか325回しか出現しません。一方で、Divine Robe of the Foxはたった1度しか出現しません。

要するに、スマートコントラクト対応のダンジョンズ&ドラゴンズで使われるような言葉が書かれたNFTで、いくつかの言葉は他の言葉よりも出現頻度が低いということです。これはどういうことなのでしょうか?

コミュニティが所有するゲームプラットフォーム

人々が、Lootに対して見せている盛り上がりは、このNFTが何かということではなく、何になれるのかということに対してのようです。これらのNFTは未開の地に放出されて、誰であれ興味を持った人の自由解釈に委ねられています。Loot NFTを基盤に、誰でも何かを作れるのです。

Electric Capitalのアヴィチャル・ガーグ氏が、Lootを52枚のトランプに例えたのは理にかなっています。1組のトランプ自体は、ただ52枚の紙に絵が描かれているにすぎません。ちょっとした工夫で、トランプはポーカーからスピード、神経衰弱に至るまで、数多くのゲームの基盤にもなります。

同じように、Lootと8,000のNFTはゲーミングメタバース全体の基盤として機能することが可能です。理想的な最終形態は、Divine Robe of the FoxのようなLootのアイテムが異なる機能を果たすゲームのエコシステム全体になることです。メタバースにおけるダンジョンズ&ドラゴンズだと考えてください。Loot NFT上に何かを作る人なら、誰でもアイテムの機能を決めることができます。

ゲームそのものは作らずに、ゲームの基盤を作ることで、Lootは分散型コミュニティにその運命をゆだねています。Lootが成功すると考えているかどうかに関わらず、多くの人にとって魅力的なアイデアです。

さて、人々は何を作っているのでしょうか?

初期のLootの試み

先に紹介した画像は、Lootバッグ#748のレア度をランク付けしたLootコミュニティで@scotatoという人が作成したアプリケーションのものです。Lootコントラクトアドレスを0xinventory.appに張り付けると、NFTの所有者は自分のLootバッグのレア度を確認できます(注:ランキングシステムは、コミュニティによっても考案されました)。

Lootmartという別のプロジェクトでは、Loot所有者がLootバッグを個別のNFTに分割して、アイテムを他のLoot所有者と交換でき、それぞれのアイテムのAI生成画像もそろっています。

同様に、lootcharacter.comはLootバッグに基づいたピクセルキャラクターを生成するために作られました。下の画像は、バッグ#748です。

おそらく、これまでにLoot上に構築されたものの中で、最も物議をかもしたのはアドベンチャーゴールド($AGLD)という、あるコミュニティメンバーが空港での待ち時間に作った通貨です。Lootバッグを持っていれば誰でも1万$AGLDを獲得できました。FTXはこのトークンのためのスポットおよび先物市場を作り、7.70ドルの高値をつけました。結果的に、Loot所有者は、ピーク時には77,000ドルの価値があるトークンをプレゼントされたことになります。

$AGLDのねらいは、いつか制作されるゲームに組み込まれる通貨として機能することです。しかし、Lootそのものと同じように、$AGLDの価値は解釈に左右されます。それにも関わらず、$AGLDは他の作成中のLootプロジェクトに採用され続けています。$AGLDの所有者が物語の方向性を投票できる、Lootがテーマの「自分の冒険を選ぼう」ストーリーなど、

「Holy War Lore(聖戦伝説)」のチャプター1では、$AGLD所有者は、神の衣を着た男が魔王の力を吸収するために魔王の冠を被るべきかどうかについて投票できました(冠をかぶるに投票)。チャプター2では、その冠が男をトラブルに巻き込み、現在、この状況をどのように対処するべきかについての投票が行われています。

これらは、Loot愛好家の草の根コミュニティがこれまでに作り出してきたものの、一例にすぎません。Loot Discordでは、ビルダー、アーティスト、ライター向けなど、数々の個別チャンネルで幅広い議論が交わされています。

カオスから価値を生み出す

ここまでを要約すると、Lootが面白いのは、従来のゲーミングとコミュニティ開発の方法を逆転させているからです。Lootのクリエーターは、ただゲームの世界の基盤を作り、それを未開の地に放出して、他の人たちがその基盤で何をするのかを確認します。そして、これまでのところ、異なるコミュニティを活気づけ、数多くの新しいLootプロジェクトが開発されています。

このワクワク感と現在のNFTのブルマーケットが相まって、Loot NFTは高騰しており、今日、最も安いLoot bagは21,000ドルで取引されています。しかし、実際のゲームや実用性のようなものが、Loot上で作られる保証はありません。長期にわたって何も実現しない場合、Lootの投資家はすべてを失うでしょう。Loot bagを所有することは、将来の実用性に賭けることであり、それを作るのはコミュニティ次第です。

これがLootの直面する課題です。分散型コミュニティは、Loot bagを所有することへの固有の実用性を生み出すことに熱意を注げるのでしょうか?Lootの所有者限定でLootアイテムを戦闘やアートワーク、アバターに使うことができるAxie Infinity(アクシー・インフィニティ)のような戦略ゲームの作成、あるいはまだ考えられてもいないその他のアプリケーションから、Lootの実用性が生まれるかもしれません。

このプロジェクトが始まってから2週間しか過ぎていないので、今は創造力が必要ですが、その魅力は明らかです。

参加コスト

「ゲーム開発者は、選ばれた数少ない人にしか買えないLoot bagを組み込んだゲームをなぜ作るのだろうか?」という重大な疑問がLootを取り巻いています。開発者はマスマーケットに売り込むゲームを作りますが、ゲーマーの大多数にとって、現在、Loot bagを所有するには価格が高すぎて手が出せません。

インセンティブの問題が、Lootの将来の中核にあります。解決策があるのか疑問に感じる場合もあるでしょう。そのいくつかをこれから紹介します。第一に、Lootを基盤にしたゲーム開発者は、Loot愛好者の熱心で、情熱的なコミュニティでゲームを独自に立ち上げるメリットがあります。第二に、そして、さらに重要なのは、大部分で法外な値段をつけずにLootを組み込む独自の方法があるかもしれません。Axie InfinityとYield Guild Gamesから発想を得られます。Axie NFTの価格が高くなりすぎて、ほとんどのプレーヤーが買えなくなったときに、プレーヤーがPlay to Earnゲームの賞金の一部と引き換えにプレイに必要なNFTを借りることができる貸付市場が出現しました。同じような解決策を考え出すLoot DAOが出現するかもしれません。合成Lootも、検討されている解決策のひとつです。合成Lootによって、売却や譲渡はできませんが、開発者が許可すればLootゲームで使うことができるLoot bagの模倣版を獲得できます。これにより、理論上はより多くのプレーヤーが参加できることになります。

多くの疑問は残ったままですが、私たちは従来のゲーム開発モデルを完全に覆す、斬新な種類のプロジェクトの初期段階にいるのです。自己管理型の草の根コミュニティは、今、暗号資産、NFT、メタバースエコノミーのすべてを利用し、Lootの基盤を使って、現実の何かを作ることを使命としています。Lootの将来にまつわる重大な問題は、暗号資産の中でも極めて魅力的な実験なので、今後数カ月、数年と展開を見ていくのがとても楽しみです。


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