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Axie Infinity、Yield Guild Gamesや、Play-to-Earn経済

Coinbase VenturesのAround the Blockでは、暗号資産の主要なトレンドに注目します。今回は、ジャスティン・マートとコナー・デンプシーとハサン・アハマドが、NFTゲームの成長とPlay-to-Earn経済について解説します。

Coinbase VenturesAround the Blockでは、暗号資産の主要なトレンドに注目します。今回は、ジャスティン・マートコナー・デンプシーハサン・アハマドが、NFTゲームの成長とPlay-to-Earn経済について解説します。さらに、NFTマーケットプレイスのアクティビティやポリネットワークの悪用についてもお伝えします。

今、暗号資産業界は非常に盛り上がっており、暗号資産ネットワークは、本格的な仮想経済へと発展しつつあります。NFTゲーミングほど、この状況が明確に表れているものはありません。

Axie Infinityの台頭

Axie Infinity(アクシーインフィニティ)とPlay-to-Earn(プレイして報酬を得る)モデルは、NFTゲームをリードしています。これは、楽しいビデオゲームをプレイして、暗号資産を受け取るというモデルです。デイリーアクティブユーザー数が100万人を超えるAxie Infinityは、新興市場で人気が爆発しており、次世代の暗号資産ユーザーを取り込むためのトロイの木馬となる可能性を見せています。

さらに、Axie InfinityとPlay-to-Earnゲーミングは、独自の活気ある金融サービス分野を生み出しました。

過去30日間で、Axie Infinityは3億4300万ドルという、際立った手数料収入を発生させました。Token Terminal(トークンターミナル)によると、この手数料収入は、Ethereumブロックチェーンを除く、どのアプリやプロトコルよりも多いそうです。それでは、この収入はどこで発生するのでしょう?

Axie Infinityが収入を生み出す仕組み

Axie Infinityの経済は、ガバナンストークン(AXS)とゲーム内トークンとして機能するSmooth Love Potion(SLP)という第2のトークンと、ゲームのキャラクターと仮想不動産の両方を表現するNFTで成り立っています。

このゲームプレイ自体は、ポケモンと比較されがちです。プレイヤーは、「Axie(アクシー)」(以下の画像を参照)と他のプレイヤーのAxieをバトルさせます。Axieによって得意不得意が異なります。つまり、このゲームの戦略は、対戦相手よりも自分のAxieの強みを活かしてプレイすることです。プレイヤーは対戦相手を倒すとSLPで報酬が得られます。さらに、デイリークエストで競うと、追加でSLPが得られます。Axie同士を繁殖させて新しいAxieを作り、他のプレイヤーに売って利益を得ることもできます。

Axieが取引されたり、不動産の1区画が売却されたり、2つのAxieが繁殖したりすると、このプロトコルにAXSとSLPの組み合わせで価格設定された手数料が入ります。この収入は、開発者に入るのではなく、Axie基金に入れられます。この基金は、6億ドル近くまで膨れ上がっています

新興国市場における現象

Axie Infinityのプロトコル収入額だけでも、大ブレーク暗号資産アプリケーションの登場を表していますが、さらに素晴らしいのは、Axie Infinityが流行している場所です。発展途上国では、このゲームをプレイして、SLPをネイティブ通貨に売却したほうが、概して一般的な日雇い労働よりも多くの収入が得られるのです。

デイリーアクティブユーザー数(DAU)の50%がフィリピンからだと推定され、このゲームはインドネシア、ブラジル、ベネズエラ、インド、ベトナムなど、その他の新興国市場でも勢いづいています。

2018年にゲーム開発企業のSky Mavis(スカイメイビス)が制作したAxieは、何人かのプレイヤーがプレイすることで正当な収入を得られることに気づき、2020年初めにフィリピンで自然に人気が出始めたのです。新型コロナウイルス感染症によるロックダウンが実施され、多くの人が職を失ったときに、さらに多くの人がAxieをプレイしてみるように促されたのです。2021年5月に、このゲームの成長を描いたPLAY-TO-EARNというドキュメンタリーが拡散され、その直後にDAUが一直線に上昇しました。

メタバースのビジネスモデル

数多くのモバイルゲームとは異なり、Axie Infinityは無料でプレイすることはできません。プレイするには、3匹のAxie Infinityのキャラクターを入手する必要があります。このゲームの初期には、平均的なAxieは10ドル以下で売られていました。CryptoSlam(クリプトスラム)によると、ゲームの急速な成長と広範なNFTの上昇により、今では平均的なAxieは500ドル近くで売られているそうです。

Axieの拠点がフィリピンやその他の新興国市場だということを考慮すると、これから参入しようとする大半のプレイヤーにとって、参入価格の1500ドルは現実的ではありません。参入へのハードルを下げるために、NFTの所有者がプレイヤーにゲームをプレイするために必要なNFTを貸し出し、その対価として賞金の一部を受け取るという非公式の市場が誕生しました。貸し手がオンチェーンで所有権を譲渡することなく、プレイヤーがゲーム内でAxie NFTを使えるように、これはQRコードを使って実行されます。

この非公式の市場は、正式なPlay-to-Earn金融サービス分野として発展しました。この分野の最大かつ最も著名なプレイヤーは、Yield Guild Games(イールドギルドゲームス)というプロジェクトです。

Yield Guild Games(YGG)

創業者のギャビー・ディゾン氏は、Yield Guild GamesはBerkshire Hathaway(バークシャーハサウェイ)とUberの組み合わせだと言うのが好きだということです。

Berkshire Hathawayが多数の企業の持ち株会社であるように、YGGは、つまり、Play-to-Earnゲーミング資産の持ち株会社なのです。2020年から同社は、利回りを生むNFT、ガバナンストークン、有望なゲーミングプロジェクトやプロトコルの所有権を買い占めています。

Uberが運転で報酬を得たい人と配車が必要な人を結びつけるように、YGGはゲーミングで報酬を得たい人とPlay-to-Earnで報酬を得るために必要なNFTを結びつけます。世界の多くの地域で、多くの人がUberよりもYGGで働くことを選ぶのは、単純にYGGの報酬が高いからです。

YGGが最近リリースした同社の7月の資産および基金報告書には、NFTとPlay-to-Earnが生み出す新しいタイプのビジネスモデルの興味深い一面が垣間見えます。

数字で見るYGG

YGG内には、奨学生とコミュニティマネージャーがいます。奨学生は、暗号資産を稼ぐために使うNFTを受け取ります。コミュニティマネージャーは奨学生を募集し、教育します。賞金の70%が奨学生に、20%がコミュニティマネージャーに、10%がYield Guild Gamesの基金に配分されます。

先ほど紹介した報告書によると、7月、YGGに2058人の奨学生が加わり、奨学生の合計は4004人になったそうです。同月、YGGの奨学生はAxie Infinityをプレイすることで1170万SLPを生み出しました。これは、325万ドル以上の直接収入に相当します。4月から7月まで、奨学生とコミュニティマネージャーは累計893万ドルを獲得しました。

奨学生が獲得したすべてのSLPからの配分で、YGGは7月に32万9500ドル、4月から合計では58万ドルを獲得しました。現在、YGGの経費は収益を上回っています。これは、同社が奨学生の需要に応じてAxieを繁殖するのに7月だけで162万ドルを費やしたからです(繁殖にはAxie1匹当たり200ドルから1200ドルの費用が必要です)。

YGG基金

YGG基金は、ウォレットの中に保有するトークンとステーブルコイン、NFT、多数のPlay-to-Earnゲームへのベンチャー投資で構成されています。このプロジェクトは、Delphi Digital(デルフィデジタル)主導のシードラウンドで132万5000ドル、a16zからの別のラウンドで460万ドルの資金提供を受けています。また、YGGガバナンストークンの売上からも1249万ドルを調達しつつ、その供給残高の13.3%を保有しています。

7月末時点で、YGGウォレットの保有額は4億1500万ドルで、その大部分がYGGトークン(3億7300万ドル)に由来しています。YGGトークンは、コミュニティが運営するDAOに移行するYield Guild Gamesの計画の一部です。

8月にYGGの価格が3倍になったので、同社の基金は現在10億ドル以上になっているということです。

YGGの資産の多くは、Play-to-Earnゲームから利回りが得られるNFTの購入に使っています。7月末までに、YGG基金は、12のPlay-to-Earnゲームで1000万ドル以上の価値がある1万9460枚のNFTを収集しました。アクシーインフィニティのNFTはそのうちの90%近くを占めています。

YGGは、SAFT(先物トークン向けの簡易契約)を介して8つのPlay-to-Earnゲームに対する初期段階の投資も実行し、優良なDeFiプロジェクトにおけるイールドファーミングのために最大100万ドルをロックしています。

現実世界でのPlay-to-Earn

YGGモデルの重要な要素は、プレイヤーが初期資本への前金の支払いなしで、下振れリスクのないNFTを貸与されることです。その対価として、プレイヤーは賞金の30%を支払いますが、賞金の半分以上は手元に残ります。これは、これまで金額が高すぎて締め出されていた新しい層の暗号資産ユーザーを取り込むために重要な役割を果たします。

実際に、フィリピンには前職の5倍~10倍の収入を得ているプレイヤーもいます。家が購入され、慈善活動が行われ、さらに店ではSLPでの支払いが可能になっています。

Axie Infinityは富を生み出しただけではなく、その人気は、多くの新しい層のユーザーが暗号資産アプリケーションを快適に利用できるようにするための手段にもなっています。この100万人のユーザーは暗号資産やNFT、デジタルウォレット、DEXと接しているので、この新しい集団を他のDeFiやWeb3アプリケーションの自然なユーザーとして考えるのは難しいことではないでしょう。

Play-to-Earnの持続可能性

Axie Infinityが独自のデジタル国家だとすれば、ゲーム開発会社のSky Mavis(スカイメイビス)は連邦準備理事会としての役割を担っています。連邦準備理事会が様々な手段を使って経済を動かすのに対し、Sky MavisはAxie経済の健全性を保つために、SLPの発行レートや繁殖手数料の調整ができます。現実の経済と同じように、デジタル経済もインフレの影響を考慮しなくてはいけません。

Axie NFTの需要が高いために、ETHがAxie経済にどんどん入ってきています。Axie NFTの需要増加に伴い、Axie NFTの価格も上昇しています。NFTの価格が上昇したことで、繁殖の収益性が高まっています。繁殖には、手数料をSLPとAXSで支払う必要があるので、トークン価格の上昇を引き起こしています。SLPの価格が上昇したことで、プレイすることの収益性が高まり、他の人の参加を促します。これが、強力で前向きな反応のループであることに疑問はありませんが、もし市場の状況が変わったらどうでしょう?

Axie Infinityのバトルやクエストに勝つとSLPが手に入り、SLPの供給量が増えます。つまり、繁殖はSLPで価格が決まるので、SLPの供給量が増えるとAxie NFTを作るための繁殖手数料は下がり、Axie NFTの供給量は増えるのです。このような力学は、NFTの市場価格に影響を与える可能性があります。これが、プレイヤーの経済に直接影響を与えることになり、負の反応のループが起こる可能性があります。

結局のところ、Sky MavisはSLPの供給量を制限しながら、ゲームプレイ全体を向上させ、プレイヤーの経済を維持し、ETHの入金を成長させ続ける必要があるのです。また、利益を追求するプレイヤーの数と、ただ楽しむためにプレイしている純粋な消費者であるプレイヤーの数を相殺する必要もあります。

ロングゲームをプレイする

Sky MavisがAxie経済の強さの維持に取り組む一方で、Yield Guild GamesはPlay-to-Earnゲーミング全体としての継続的な成長を積み上げようとしています。Axie Infinityのモデルを新しいゲームにわたって再現することで、Play-to-Earnの帝国を築こうとしているのです。長期的には、創業者のギャビー・ディゾン氏はYGGを「メタバースの人材紹介会社」と位置づけ、最終的にはUberと世界の人材を競い合うようになると考えています。レディ・プレイヤー1からそのまま出てきた未来で、大勢の人々が物理的な世界での経費を賄うためにデジタル世界で生計を立てています。

終わりに

Axie Infinityの収益の急増、Yield Guild GamesのようなDAOの誕生、多数のPlay-to-Earnゲームが登場しつつあることから、このトレンドに永続性があるのは明らかです。DeFi、NFT、そして現在の暗号資産ゲームとともに、私たちは、投機取引という最初の暗号資産のキラーアプリを超え、表現豊かなアプリおよびモデルによる世界へと急速に進化しています。暗号資産の実用段階が猛然と進み、非常に面白い時代に突入しています。

OpenSea、1カ月の取引高30億ドル達成

8月、NFT取引所OpenSeaの取引高は30億ドルに達し、150万枚以上のNFTの所有者が変わりました。8月の取引高のみで、これまでの月の取引高を合計した金額を上回っています。

OpenSeaの8月の取引高は、Estyが第2四半期全体で計上した総売上の30億ドルに匹敵します。これは、NFT市場が他のオンラインマーケットプレイスと比べて、非常に短い期間でどれくらい大きく成長したかを別のポイントから示すものです。

ブロックのデータは、NFT領域におけるOpenSeaの支配力がどのくらい顕著であるかを示しています。

このような取引所の分野には、いかなる分散型の取引所もNFTの取引向けには存在していないのが特徴です。これは、中央集権的な取引所が最初に市場に適合する製品を見つけ、最終的に分散型の代替品に道を開くという過去の市場サイクルを受け継いでいます(DeFiの夏のユニスワップを考えてみてください)。

NFT向けのDEX市場はまだ初期の段階ですが、私たちが注目しているのは、最近立ち上げられたPunks.houseというZora(ゾラ)が制作したCryptoPunks(クリプトパンクス)を取引するための自由参加型の取引所です。NFT市場は自ら分散化し始めています。NFTアートマーケットプレイスのSuper Rare(スーパーレア)がRAREガバナンスを導入し先行しています。多くの人たちが、いずれはOpenSea(オープンシー)もこの路線を打ち出すのではと推測しています。

最後に、OpenSeaは中央集権的な営利団体ですが、そのコードはオープンソースです。今後、OpenSeaからフォークした低価格の競合他社が登場しても驚くことはないでしょう。

6.11億ドル、ホワイトハットハッキングか?

史上最大のDeFiハッキングでは、攻撃者がイーサリアム、バイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain、ポリゴンのブロックチェーンから、6億1100万ドル以上を流出させました。そして、その攻撃者は流出させた暗号資産のほとんどを返すという驚きの行動に出たのです。

このハッキングは、異なるブロックチェーンを接続する、クロスチェーンの相互運用可能プロトコルであるポリネットワーク上の脆弱性を悪用して実行されたものです。通常、このようなタイプのネットワークは非常に複雑で、2つの異なるブロックチェーンをセキュアかつ安全な方法で相互に応答させるという難題を抱えています(ひとつのブロックチェーンの安全を確保するのも十分難しいのです)。要するに、複雑さが増すと、攻撃者がエクスプロイトを見つける表面領域が増えるので、複雑さはセキュリティの敵なのです。

今回の場合、このハッカーはポリネットワークのスマートコントラクトを騙し、同ハッカーのアドレスがチェーン全体で6億1100ドル以上のロックを解除する許可を得ていると考えるようにしました(詳細な技術分析はこちら、簡単な説明はこちらをご覧だくさい)。しかし、奇妙なことに、このハッカーは流出させたほぼすべてをポリネットワークのチームに返すに至りましたテザー(Tether)に凍結された3300万USDTドルを除く)。

この資産を返却するハッカーの真意については、憶測が残ったままです。セキュリティ会社のSlowMist(スローミスト)が、ハッカーのIPアドレスとメールアドレスを特定できたと述べたので、このハッカーは大規模なロンダリングを検出されずにはできないと知り、資産を返したと考える人もいます。一方で、ハッカーはAMA(あらゆる質問を受け付ける)を実施し、「楽しむために」ハッキングしたと述べています。そして、まったく別の意外な展開として、ポリネットワークチームはこのハッカーに流出させた資金の一部返却に対する報奨金50万ドルに加えて、同ネットワークの最高セキュリティ責任者として迎える打診をしました。

これは、一体どういうことなのでしょう?事実を知る由はありませんが、ハッカーが特にこのような公の方法で資産を返すのは非常に珍しいことです。オッカムのかみそりは、(この情報が本当に特定された場合)捕まった時の反動を背負いきれないと示唆しています。

ハッキングが増えるのは困りますが、これは斬新な適正化機能が動いただけに過ぎないことに注意しなくてはいけません。ハッキングは毎回、私たちに改善方法を教えてくれます。そして、私たちは、学び、適応し、改善するのです。新しい使用事例を開拓している超最先端の暗号資産プロトコルは、リスクが高くなるのを避けられませんが、時間とともに耐性は増します。

また、ポリネットワークだけではありません。同ネットワークの1週間後には、Paradigm(パラダイム)のsamczsun氏が、SushiSwapのMISOプラットフォームで3億5000万ETHをリスクにさらすところだった脆弱性を発見し、報告したことをお忘れなく。最近では、Cream Finance(クリームファイナンス)がフラッシュローン攻撃で2500万ドルを悪用されました。

暗号資産が本当に成功するには、セキュリティを保証する必要があります。保険市場は重要で、私たちはその解決に貢献できる独自の立場にあります。

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